遠回りが、
最大の武器になりました。
音大時代のこと
大阪音楽大学でギターを専攻していましたが、当時は作曲に明け暮れ、演奏にはほとんど熱を持てずにいました。ギター専攻生なのに教授にはギターの課題をもらえない、いわゆる「落ちこぼれ」でした。
好きが、すべてを変えた
卒業後、ジョン・メイヤーに出会って、何かが変わりました。初めて「自ら好きになったギタリスト」に出会った瞬間、誰に言われるでもなく自然と彼のプレイスタイルを研究するように。気がつけば毎日ギターに向かっていました。
「好きな曲だと、こんなに違うのか」 ——音大の2年間では一度も感じたことのなかった感覚でした。
1年で合格した、本当の理由
その後、ヤマハ講師の試験を受けました。恩師には「5年はかかる」と言われましたが、結果は1年での合格。でもその理由は、効率よく練習したからではありません。好きな曲を弾くうちに小さな成功体験が積み重なり、練習そのものが楽しくなって、気がつけば上達はあとからついてきていました。
「上手くなるために練習する」のではなく、 「好き」が先にあるから、自然と上手くなる。
教授が、待っていたもの
時間が経って、あの頃をふと思い返すことがあります。課題をくれなかった教授は、もしかすると私が自分で「好きなもの」を見つけるのを、静かに待っていたのかもしれません。真意はもうわかりませんが、今の私にはひとつ確信があります。音楽の主役は、いつも生徒自身だということ。弾きたいという気持ちは、誰かに押し付けられて灯るものではありません。
だから私は、あなたに課題を押し付けません。あなたが「好きな曲を、好きに弾ける」ように——私はそれを、自奏力と呼んでいます。その力を育てることが、放課後音楽大学のレッスンのすべてです。